ヴイエムウェア、企業のクラウド ネイティブ アプリケーションの導入を加速する2つの新しいオープンソース プロジェクトを発表
- ID/アクセス管理の新しいプロジェクトにより、エンタープライズクラスの規模とセキュリティをクラウド ネイティブ アプリケーションでも実現
- クラウド ネイティブ アプリケーション向けに最適化された、軽量な新しいLinux OS
- PivotalのLatticeを通じて、クラウド ネイティブ アプリケーション向けに、クラスタ化されたコンテナの管理機能を提供
- CoreOS、HashiCorp、Intel、JFrog、Mesosphereからのエコシステム サポートなど、協業を推進
【 2015年4月21日 (日本時間)東京発】
ヴイエムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ジョン T. ロバートソン)は本日、企業のクラウド ネイティブ アプリケーションの導入を可能にする2つの新しいオープンソース プロジェクトを発表しました。この2つの新プロジェクトは、エンタープライズクラスの規模とセキュリティをクラウド ネイティブ アプリケーションでも実現するID/アクセス管理プロジェクトであるProject Lightwaveと、クラウド ネイティブ アプリケーションに最適化された軽量なLinux OSの開発プロジェクトであるProject Photonです。
企業がクラウド ネイティブ アプリケーションを安全にビルド、デプロイ、管理することを目指したこの2つのオープンソース プロジェクトは、ヴイエムウェアのハイブリッド クラウド向け統合プラットフォームに統合され、プライベート/パブリック クラウド全体でクラウド ネイティブ アプリケーションと従来のアプリケーションを利用するための一貫した環境を構築できるようになる予定です。ヴイエムウェアでは、この2つのプロジェクトをオープンソース化し、クラウド ネイティブ アプリケーション市場での共通の標準、セキュリティ、相互運用性の促進に向けて広範なエコシステム パートナや開発者コミュニティと共同で取り組みます。これにより、優れたテクノロジを開発し、そして顧客へのより幅広い選択肢を提供します。
企業による既存アプリケーションとクラウド ネイティブ アプリケーションの活用をサポート
本日の発表を通じて、ヴイエムウェアは企業の開発者が最新の分散アプリケーションを安全にビルド、デプロイ、管理するためのサポートを提供することを目指しています。2つのオープンソースプロジェクトは、コンテナ化されたアプリケーションを仮想環境上で安全に稼働させるために最適化された、軽量かつスケーラビリティに優れたテクノロジを開発します。そして、これらのプロジェクトは、開発者のデスクトップ環境から本番環境まで、アプリケーションのライフサイクル全体を通じてエンジニアリング業務を効率化し、開発者とIT運用者がこれまで以上に連携できるようにします。これらのテクノロジは将来的にヴイエムウェアのSoftware-Defined Data Center(SDDC)やエンド ユーザ コンピューティングなどの製品群に緊密に統合される予定です。これにより企業は、コンテナ化されたアプリケーションを活用しつつ、業界をリードするヴイエムウェアのコンピューティング/ネットワーク/セキュリティ/ストレージ/管理ソリューションを通じたメリットを享受できるようになります。
Project Lightwave
Project Lightwaveは、業界初となるコンテナのID/アクセス管理テクノロジで、企業向けのセキュリティ機能をクラウド ネイティブ アプリケーションでも実現します。マイクロサービスや数百/数千のアプリケーション インスタンスがもたらす複雑なネットワーク管理が求められる分散化されたクラウド ネイティブ アプリケーションにおいて、企業は関連するすべてのコンポーネントとユーザのIDとアクセスを管理しなくてはなりません。Project Lightwaveでは、コンテナによる分離だけでなく、コンテナのセキュリティのための新たなレイヤが追加され、企業はアプリケーション開発のライフサイクル全体を含む、ITインフラとアプリケーションのスタック全体でアクセス制御とID管理を確実に実行できます。そして企業は、Project Lightwave とProject Photonなどのコンテナのランタイムホストとの統合を通じて、許可されたユーザだけが許可されたホスト上で許可されたアプリケーションを稼働させるようにできます。Project Lightwaveの主な機能は以下の通りです。
- 一元化されたID管理
クラウド ネイティブ アプリケーションの安全性を高める一元化されたソリューションとして、シングルサインオン(SSO)、認証、および名前とパスワード/トークン/証明書を利用した権限管理などの機能を提供します。
- マルチテナントへの対応
マルチテナントにも対応しているため、企業のITインフラをさまざまなアプリケーションや社内のチームで利用できます。 - オープンスタンダードへの対応
Kerberos、LDAP v3、SAML、X.509、WS-Trustなど、複数のオープンスタンダードに対応しており、またデータセンタで利用されるそのほかの標準化されたテクノロジにも対応できるよう設計されています。 - 企業向けの優れたスケーラビリティ
Project Lightwaveは、シンプルかつ拡張性の高いマルチマスター レプリケーション モデルで開発されているため、優れたスケーラビリティと同時に高いパフォーマンスを提供します。 - 証明書ベースの認証機能と鍵による管理
ITインフラ全体で証明書ベースの運用と鍵による管理を簡素化しています。
Project Photon
Project Lightwaveを補完するProject Photonは、コンテナ化されたアプリケーション向けの軽量なLinux OSのプロジェクトです。VMware vSphere®やVMware vCloud® Air™の環境に最適化されているため、企業は単一プラットフォーム上でコンテナと仮想マシンの両方をネイティブに稼働させることができ、そして仮想マシン内でコンテナを稼働させる際にコンテナを分離することができます。将来的には、コンテナ化されたアプリケーションを開発者のデスクトップ上から開発/テスト環境へとシームレスに移動できる機能強化などを予定しています。Project Photonの主な機能は以下の通りです。
- 広範なコンテナ ソリューションに対応
Docker、rkt、Pivotalの提供するGardenなどのコンテナ ソリューションに対応しているため、ユーザは自社のニーズに最適なコンテナ ソリューションを選ぶことができます。 - コンテナ向けセキュリティ
コンテナ化されたアプリケーション向けに強化されたセキュリティ、および仮想マシンと組み合わせた分離に加え、Project Lightwaveとの統合を通じた認証や権限管理などの機能を提供します。これにより、ユーザはコンテナのレイヤ上でアプリケーションのセキュリティをさらに強化できます。 - 柔軟なバージョン管理と拡張性
Project Photonは、イメージ ベースのシステムのバージョン管理が可能なrpmとパッケージ ベースのライフサイクル管理システムであるyumとの互換性を備えており、業界で初めて管理者と開発者がコンテナのランタイムホストのアップデート方法を最適化するための拡張性と柔軟性を提供します。これにより、きめ細かいパッケージ管理が可能になります。
またPivotalは本日、スケーラブルなクラスタ上でコンテナ化されたワークロードの導入/管理/稼働を行うために、Cloud Foundryのオープンソース コンポーネントをパッケージ化したLatticeを発表しました。ヴイエムウェアはPivotalとの協業を通じて、インフラからアプリケーションにいたるまでのエンドツーエンドのクラウド ネイティブ ソリューションを提供します。ヴイエムウェアのクラウド ネイティブ アプリケーション向けの耐障害性に優れたインフラは、PivotalのCloud Foundryアプリケーション プラットフォーム ソリューションを補完します。
ヴイエムウェアの顧客、パートナ、潜在顧客やコミュニティなどからの幅広いフィードバックやテストを促進するため、Project PhotonとProject Lightwaveは、オープンソースのプロジェクトとしてリリースされます。ソフトウェアのオープンソース化により、コミュニティはプロジェクトに直接関わることが可能となり、さらなる相互運用性や新機能の開発を促進できます。Project Photonは、GitHub( https://vmware.github.io/photon)を通じて、本日からダウンロード可能です(英語サイト)。Project Photonは、開発支援ツールであるVagrant boxを通じてパッケージ化されているため、ユーザはあらゆるプラットフォーム上で簡単にテストすることができます。Photon Vagrant boxは、HashiCorpのAtlas( https://atlas.hashicorp.com/vmware/boxes/photon)から、ダウンロード可能です(英語サイト)。また、Project Lightwaveは、2015年後半にダウンロード可能になる予定です。
新たなオープンソース プロジェクトとエコシステムにより、ビジネスの俊敏性を加速
企業は、俊敏性/拡張性/効率性を改善し、価値を実現するまでの期間を短縮できるアプリケーションを開発するため、ウェブスケールの企業を通じて普及したクラウド ネイティブのソフトウェアの開発や運用の方法を検討しています。そして、最新の分散アプリケーションの導入は、コンテナなどのスケーラブルなクラウド インフラやテクノロジにより可能となります。ヴイエムウェアは、コンテナ向けのID・認証・権限管理やコンテナ向けに最適化されたLinux OSを含む、オープンかつ安全なコンテナのランタイム アーキテクチャを提供することで、企業がクラウド ネイティブ アプリケーションを導入できるようサポートします。
ヴイエムウェアはこれらのクラウド ネイティブ アプリケーションのプロジェクトへの業界のサポートを得るため、幅広いエコシステム パートナと協業しています。ヴイエムウェアとこれらのパートナは共同で、アプリケーション インフラを再構築し、企業が日々変化する市場において、より優れたビジネス上の成果を達成するためのサポートを提供します。ヴイエムウェアとパートナによる協業には以下の内容が含まれます。
VMware Inc. クラウド ネイティブ アプリケーション担当副社長 兼 最高技術責任者(CTO) キット・コルバート(Kit Colbert)コメント:
「当社は、Project LightwaveとProject Photonによりヴイエムウェアの統合プラットフォームを拡張することで、クラウド ネイティブ アプリケーションを含む、企業内のあらゆるアプリケーションをサポートするという約束を実現します。これらの新しいオープンソース プロジェクトを組み合わせて利用することで、企業の開発者とIT管理者の双方に最適な環境を提供します。開発者はコンテナ化されたアプリケーションによる可搬性とスピードによるメリットを享受しながら、IT運用チームは今日のビジネス環境に求められるセキュリティとパフォーマンスを維持できます」
ヴイエムウェア社について
ヴイエムウェア(本社:カリフォルニア州パロアルト)は、クラウド インフラとビジネス モビリティの分野で業界をリードしています。VMwareの業界をリードする仮想化技術をベースとしたソリューション群を通じて柔軟性、俊敏性、安全性に優れたITの新しいモデルを実現します。顧客はあらゆるアプリケーションについて開発の高速化、提供の自動化、安全な利用を実現することでこれまで以上にイノベーションを加速できます。VMwareは、50万社を超える顧客、および7万5,000社を超えるパートナを有し、米国カリフォルニア州シリコンバレーの本社のほか全世界にオフィスを展開するグローバル企業です。当社の2014年度の売上高は、60億米ドル以上です。VMwareの詳細は www.vmware.com/jp をご覧ください。
VMware, vSphere、vCloud Airは、VMware, Inc.の米国および各国での商標または登録商標です。他のすべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。「パートナ」または「パートナシップ」という言葉は、当社と他社との法的な協力関係を示すものではありません。
将来予想に関する記述
本プレス リリースには、Project LightwaveとProject Photonで見込まれる利点や顧客への利点、広範なパートナ エコシステムとの協業やVMwareのsoftware-defined data center やエンド ユーザ コンピューティングの製品群とのさらなる統合に関する計画、Project Lightwaveの提供開始時期や機能に関する予定など、将来の予想に関する記述 (forward-looking statements)が含まれています。
本プレス リリースには、過去または現在の事実に関するもの以外に、将来予想に関する記述 (forward-looking statement) が含まれており、1995年米国私募証券訴訟改革法 (Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の「セーフハーバ」 条項 (the safe harbor provisions)に準拠しています。実際の結果は、特定のリスク要因により、将来予想に関する記述で予想された結果と大きく異なる場合があります。リスク要因には、(i)優先事項や予算配分の変化;(ii)現在の世界的な経済状況の不確定要素が及ぼす経済全体へのリスク;(iii)IT消費の落ち込みまたは遅延;(iv)価格競争、業界再編、 新規競合会社の企業向けソフトウェアやクラウド コンピューティングの業界への参入、VMwareの競合会社による新製品の投入およびマーケティング施策などの競合状況が含まれますが、これらに限定されるものではありません;(v)VMwareの顧客が新製品の開発およびクラウドコンピューティングやsoftware-defined data centerへの移行を実現できるか否か;(vi)顧客の新興技術に対する許容性 (賛同の有無)に起因する不確定要素;(vii)仮想化ソフトウェアならびに企業コンピューティング向けのアプリケーション プラットフォームの業界での急激な技術や市場の変化;(viii)製品の開発タイムラインの変更;(ix)関連するテクノロジの成功裡の相互運用や統合;(x)VMwareの独自技術の知的所有権のマネジメント能力;(xi)VMwareが優秀な従業員を採用、維持できるかどうか、などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらの将来予想に関する記述は、現時点での予想に基づくものであり、状況、重要性、価値、および効果の不確実要素と変化、ならびに 最新の報告書 Form 10-K、 Form 10-Q、Form 8-Kを含む米証券取引委員会に提出した文書に詳しく記載されているその他のリスクによる影響を受けることがあり、実際の結果が予想と異なる可能性があり ます。当社は、このリリース後にこれらの将来予想に関する記述を更新する義務を一切負いません。